ナインボールクラシック・納涼肝試し大会

鈴木宗康 優勝

81名という参加者を見て平野と深澤は「何故」という言葉が頭の中を回っていた。
平野いわく、
“絶対200人は集まるよ。これは!!”
“しかも安いし!!”
しかし人は81名で、安いエントリーフィーが赤字を招いた。
死ね、平野。
深澤は平野に呪いをかけた。
3セット先取、敗者1セット、そして完全Wイルミネーションという試合は他には無いため、運営のリズム、人の配置などがわからなくてこの半年間実験的に渋谷のCUEで、月一回のミニトーナメントを行った。
しかし、ミニトーナメントは最大32名でやはり80人以上とは訳が違う。
平野が試合に参加するため本部は深澤一人になってしまう。やっぱり眠れない夜が続くのヨ。
7/20は正直言って面白い一日だった。集まってくれた人はいろんなプレイを見せてくれたし、なかなか熱い一日だった。
81人の内訳はA級24人、B級39人、C級13人、L級5人。
この予選勝ち組で上がってきた8人、かっこの中は予選での失セット数。
青葉 石川(1)ルーキー杉山(1)ルパン鈴木(1)ビクトリア佐々木(4)ルパン林(4)CUE山下(1)平野(2)永田(5)。
そして後の無い負け組8人は、Mr.P笹木、ルーキー沖山、日吉の小山キングドーム内海、CUE岩瀬、藤川、仲宗根、石橋。
CUE組は結局ホームグラウンドのせいなのか、ミニトーナメントの効果か、決勝枠に7人上がってきた。
決勝に上がったからと言って抽選がある訳ではない。これはこのまんま最後までいくのよーん。
勝者最後の一人となったのは佐々木寿徳、そして敗者は鈴木宗康。深澤はこの二人に初めて会ったのが二年前。その時の二人はまだビリヤード始めて半年位のB級だったんだ。その二人がここまで来たんだーってなんか嬉しかった。
最後の一人一人になった時点で3セット勝負。これで勝ち組が勝てば優勝、負ければプレーオフで、今度は1セット先取で勝負となる。これがクラシックの完全Wのやり方。

勝負はたったの3セット、みんな内容を読んでくれ。
バンキングを取ったのは宗康。しかしブレイククノーイン。佐々木1番の穴が無いのでこれをセーフティーにいく。宗康これを当てられずファール。佐々木が取り切る。
佐々木1−0宗康。
佐々木ブレイク1、4、6イン。2−9をキャノンでいくが失敗。その上9番はコーナー前。宗康、一つ一つを入れにいき取り切る。
佐々木1−1宗康。
宗康ブレイクノーイン。佐々木1番2番がトラブっているのでセーフティー。宗康が取り切る。
佐々木1−2宗康。
宗康ブレイク7番イン。1番をセーフティー。このセットはとばしあうが、9番をサイドに狙って外した宗康がOKを出した。
フルセットで迎えた第五ゲーム。
佐々木ブレイク2番イン、これは手玉の手前に3番がタッチしている上、台の中央で更に1番と5番がフローズンして狙う穴が無い。佐々木キューを立てて撞くが1番に当てられない。宗康、ゆっくり考えて慎重に慎重に取り切った。

そして観客が大興奮して始まったプレーオフ。後が無い、1セット先取。
宗康のブレイクは4番7番8番イン。しかも配球は出来ている!!宗康はチビリがまったく感じられないイキの良いショットで攻めてくる。かといって乱暴じゃないんだヨ。しかあし、5番から6番へがほんのちょっと強かった。手玉土手際のくの字。何度も構え直してはストロークする宗康。
のぞきに来た銘苅プロがにーやにーやして一言。「これはトバシ頃なんですヨ。」
トバシた!!
佐々木に残っている球は6番9番の二つだけなのだが、手玉は土手球だし、イヤーな角度だし。ちょっとちびったらしい。うすく入ってこれまたイヤーな配球。
宗康も6番をトバシたがこれまたイヤーな配球。
佐々木縦バンクにいったが厚かった。これまたイヤーな配球。と、このやり取りをあと二回繰り返す。この6番9番を取り切ったのは宗康でした。

鈴木宗康、27才。球撞き始めて2年半。試合が終わると汗びっしょり、そして2kgは痩せている。彼女はいないが、今は彼女よりタイトルが欲しい。(宗康、とりあえず肝試し王のタイトルはついたゾ!!)
彼に逢いたい人はルパンまで。ちなみに彼はちょっと人見知りらしい。



81人の内訳はA級24人、B級39人、C級13人、L級5人


ビーマガ90号 記事は載らず写真のみ